赤い旗


あいつが現れたら、すぐに赤旗をあげるんだ。
一刻の躊躇も許されない。
のこらず影絵にされちまう前に、
そう、その枯れ枝のような腕で赤い旗をふってごらん。


あいつも情け容赦が無いわけじゃない。
きっと黙って通り過ぎてくれるだろう。


ただただ何のことやら訳が分からない。
あいつはそんな奴なんだ。