8月のラプソディ


「いらっしゃい!」
「おうっ、オヤジ、マニフェスト一丁、大盛りで!」
「へいっ、さすがお客さん、マニフェストは大盛りにかぎりやす」
「あと、トッピングでタコ、サービスで」
「えっ?サービスですかい?」
「おいおいオヤジ、隣のハトヤは無料だぜ」
「そ、そうですかい、じゃこちらもサービスいたしやす」
「あと、うちの子の分、無料でたのむぜ」
「え、ええっ坊ちゃんの分ですかい?」
「おいおい、ハトヤじゃ高校生以下無料だぜ」
「へ、へい、よござんす、特別にサービスいたしやしょう‥」
「ちょっとあんた、大変だよ!」
「か、かかあ、そんなに慌ててどうしてい?」
「隣のハトヤ、インド洋で鉄板に油敷きサービス開始だってよ!」
「あのぼんくら二代目め、そいつぁあ、こちとらのオリジナルサービスだぜ!」
「どうすんだい、あんた!」
「えーい、こうなりゃうちは全部ただでい。もってけドロボー!」


2ヵ月後、二件の店の姿は無かった。後には老人専用の公民館が建ったそうな。