幸せの黄色い封筒


空に巨大なおせんべいのようなものが浮かんでいました。
谷中や浅草で売っているようなやつです。
そのおせんべいの裏側に、
地上に向かってちょうど逆さまになった郵便局が建っていました。
そして、
そのさかさまの郵便局からは、
さかさまになった郵便局員が次々に飛び出してきました。


彼らは肩からさげたカバンの中からどんどん手紙を取り出して、
地上に向かって投げてきます。
それがおもしろいように、それぞれの家のポストに入っていくのです。


これはいいことを思いついたなあと感心していると、
いきなりぼくのほうに向かって黄色い封筒が飛んできました。
ぼくは、えいやっと飛び上がってその封筒をキャッチしました。


ところがいつまでたっても着地しません。
下を見ると地面が消えています。
しかたがないので宙に浮かびながら、その封筒を開けると、
「おめでとうございます!」
と書いた紙切れが一枚入っていました。


やった!