とり肉のチリソース風味

村のはずれにある屋外の土俵で、
たぬきが相撲をとっておりました。
最近はなんとなく忙しくしておりましたので、
ちょっと休みがてら、見物することにいたしました。


しかしなんですね、たぬきの相撲というのは、
いまいち見てて楽しくないですね。
結局、化かしあいですから。
今日も朝早くから中学のPTAの集まり。
お昼にバーミヤンで中華ランチを食べた後で、
おなかはいっぱい。
はっきり言って眠くなりました。


それで眠りながら見物しておったのですが、
突然たぬきの片割れが土俵から降りて来て、
わたしの肩をゆすりました。
そして、
「相撲を見るのか、眠るのかどっちかにしてくれ!」
と申しました。
そこで、
「そこまで言うならもっと立派な勝負をせい!」
と、逆にたしなめてやりました。
するとたぬきはニヤッと笑って、
「ほうらひっかかった。ひひひひ。」
と奇妙な声を出したのです。
その途端、ぼわんと白い煙りがあがって何も見えなくなりました。


気がつくと、わたしはまだバーミヤンにおりました。
まわりではPTAのお母さまがたがおしゃべりしていらっしゃいました。
ありがちな展開で申しわけありません。
しかし大概の場合、
わたしの1日なぞというものは、
そのようにして過ぎ去って行くのです。