満月



今夜の月は、きっと夢の中まで照らしてくれるにちがありません。
迷子だらけの路地を抜けて、
ずっと昔に訊ねたお寺の、
塀をよじのぼって叱られて、
逃げ出した子供たちの、
頬を照らして、
別れ別れになって、
たとえ2度と会わないとしても、
かつて友達であった、
あの懐かしい、
夢の中まで。