時に、過去には未来がある。


霧雨の新宿歌舞伎町は魔都であった。
ロフトプラスワンを求めて徘徊するうち、
沢山の親切なお兄さんに声をかけられた。
なんでもうちで遊んでいけという。
しかし僕には目的地があった。


懐かしい顔にも会うことができた。
しかし、野郎共ばかりであった。
きっと、当時の少女たちはたくましくもっと未来の方を歩いているのであろう。
けれども大きな力を得た。
聞こえたのは、
「たまごに帰れ!ロックンロール!」
という、おでんを持ったちび太の声だろうか。
違うかもしれない。



徘徊中にどうやら大切なマフラーを落としてしまったらしいのだが、
もちろん何かを失くせば、そのかわりに何かがやってくる。
地引さんに感謝したい。