美しい夕焼けの空を、アトムが南の方へ飛んで行った。
彼がもう一度帰るべき家がこの国にあるのかと少し心配になった。
青空の中に白く潜んでいた月も、今はくっきりと姿をあらわし、
君たちが僕を見つめて来たように、僕も君たちをずっと観察してきたんだと言った。
70億だそうだね。おめでとう。
君たちの最後の時を、やっぱり僕は見ることになるんだろうねえ。
君は何一つ外へ放り投げることは出来ない。
だってどこまで行ってもそこは君の内側なんだよ。
それからキャベツと人参を忘れないように。
あとアトムのことは心配しないで。