2009-08-28 たまにはモノクロームで 日々 崩壊した王国から静かに黒煙が昇った、あの青空。 やがて人々は戻り、にわか作りの家々の上に大きなビルがそびえた。 王国はかすかなノイズになって街に拡散したのだ、と誰かが言う。 耳を澄ましたって何も聞こえやしない、と誰かが言う。 何かを聞こうとしちゃだめだよ、と誰かが言う。 誰もがすっかり沈黙した朝に、王国はよみがえるのさ、 と誰かが言って、皆は笑った。 王国は二度と戻らないのだ。