夕暮れ時、商店街の向こうに見えた月は、ほんとうに美しかった。
商店街を歩く人々が誰も空を見上げていないのが不思議だった。
お江戸の宵を月が守ってくれているような、
そんな気持ちがした。


また、夜がふけた後の、薄い雲に覆われてにじんだ月も、とても美しかった。


まあ、月が好きなんだろなあ。