流されて


夢というものはやわらかい。
鬼のように角が生やしていて、
巨大な牙を持ち、
尻尾には毒針が仕込んであるが、
結局はやわらかい生き物である。


大きなビルディングから真っ逆さまに落ちるとしよう。
それは気が遠くなるほどに長い旅となり、
山を下り、谷を走り、脳を潤す。


個々人の夢には実は同時に多くの人が参加している。
最近はやりの参加型コンテンツなのだ。
ある意味ご先祖さまも参加している。


だからどうしたと聞かれても困る。
どうしようもないのだ。