タカハシタモツさんの手記


散歩というのはいつも楽しいことばかりではない。
人生と同じである。
誰かの心無い一言がすべてをだいなしにしてしまうことだってある。
職場で、教室で、ネットで、
悲しい思いをした人も少なくないであろう。
時には殺人事件にまで発展することもあるではないか。
評論家たちは、ネットが問題だ、ケータイが問題だ、学校教育が問題だなどと言っているが、
もちろん問題なのは人のこころの弱さである。
こころの堤防の一番弱いところが、まず決壊し、
ついには身体ごと濁流に飲み込まれていまうのだ。
その点については以前朝日新聞にも投稿したが、
残念ながら、採用には至らなかった。
そういったことについては毎日新聞のほうが進歩的かもしれぬ。


が、話はそんな大袈裟なものではない。
私の散歩の話である。


いつものように私が家の近所を歩いておると、
むこうからかわいらしい女子高生が歩いて来た。
彼女はうつむきかげんで、何か考え事をしているようであった。
長くさらさらした髪を風になびかせて歩く彼女を見ていると、
私までなんだか青春時代に帰ったような、
そんな心持ちになっておった。

ところがすれ違い様、トンと肩がぶつかった。
彼女はまるで私などおらんかのようにまっすぐ歩いて来たし、
私もうまくよけきれなかったのだ。
私は軽く会釈しようとした。
しかし彼女はなんと物凄い形相で私を睨みつけてきた。
そして大きな音で「ちいいいっ」と舌打ちした。
そして何ごともなかったかのように、
またスタスタと歩いて行ってしまった。

私の笑おうとして笑えなかった顔は、
世界中のすべてから「おいてけぼり」をくっていた。
私は怒りたかったが怒れなかった。
まるで空の大きな輪ッカに吸い寄せられて行くようだった。
駅前のビルの向こうから音もなくあらわれたその輪ッカに、
たくさんの中年男たちが吸い寄せられていくのだ。
一瞬私の体が軽くなった・・・・


って、タモツさんよ!
十分大袈裟だぞ!
うえーん、大体悲しすぎるぞ!
「おいっ、そこのメギツネ!とうとう化けの皮はがしやがったな!
すっとこどっこい!てめーなんざとうふの角とメールしてろ!」
ぐらいなこと言い返してやりなさいよ!
(僕にはできませんが)
だいたいカテゴリーが[空]って、やめてくださいよ!
がんばりましょうよ!
応援してます!
友だちにはなれないけど。